人の営みに寄り添って いつも「好モチーフ」に

カチコチと時を刻む「時計」、現在わたしたちが使うアナログ式(針で時間を見る)ものは17世紀オランダの機械式時計が直接のルーツと言われます。さらに遡ると太陽の位置による「日時計」で時間を知った事に始まり、以降より便利により正確にとさまざまな進化を遂げながら、人の営みの歴史にぴたりと寄り添ってきました。そして時計は芸術の分野においても、何度も繰り返し登場する好モチーフとなっています。ここでは音楽の中で取り上げられる時計について見ていきましょう。

ロック・アラウンド・ザ・「クロック」

1960年台に起きたアメリカ発の音楽ムーブメントに「ロックンロール」があります。その火付け役で「最初にして最大のヒット」と言われた「ロック・アラウンド・ザ・クロック」(1954年発売)があります。発売の翌年映画テーマとして取り上げられ大ブレイク、世界中で通算2,500万枚を売り上げる記録的ヒットを飛ばしました。「ロック」と「クロック」を引っ掛けた歌詞、「一時を回るころにゃずいぶんゴキゲン、夜通し騒ごうぜ!」と軽快なリズムで届けられるメッセージは多くのファンを虜にしました。

クラシック、童謡のなかの「時計」

遡ってクラシックの世界へ、「交響曲第101番〈時計〉」(1793年初演)を作曲したのはオーストリアの作曲家ヨーゼフ・ハイドンです。ゆったりとした第2楽章は規則的な伴奏パターンが繰り返され、まるでカチコチ時を刻む時計のようだとこの名前がつきました(命名は作者本人ではなく後世ついた「アダ名」です)。さて童謡やポップスカバーでも知られる「大きな古時計」(1874年初版)はイギリス・ダーラム州のホテルにモデルとなった大時計があり、初代オーナー兄弟が相次いで亡くなるのと同日・同時刻に動きを止めたという歌詞どおりのエピソードがあったのだそうです。たまたま宿泊利用した作曲家・ワークはその話に猛烈なインスピレーションを受け、後々まで愛され続けることになるこの名曲を一晩寝ずに書き上げたのでした。

パネライは1860年創業のイタリアの精密機械メーカーで、高級腕時計ブランドとしても有名です。大型で分厚い、いわゆる「デカ厚」腕時計の元祖と言われています。